早期発症側弯症
早期発症側弯症について
10歳未満、特に5歳未満に進行する脊柱側弯症は、思春期側弯症とは別の性格を持っています。過去の報告では、無治療の場合、生涯の死亡率が自然死亡率より上昇することが知られています。
小児病院にある当科はこれら低年齢の側弯症は、他の成人期病院併設の側弯症センターなどとは異なり、かなり多数いらっしゃいます。治療に難渋することが多いですが、コルセット、ギプス、グローイングロッドなどを適宜利用しながら治療をしています。
一部の脊椎胸郭形成不全症はVEPTRの適応と考えられ、そのような場合は、VEPTR可能施設を紹介をしています。
当科手術例
CASE1 5歳 術前
CASE1 術後
CASE1 6回延長後
CASE1:早期発症側弯症に対するGrowingRod法
側弯の進行を抑制しながら、半年に一度の手術を繰り返しながら器械を延長していく術式
CASE2 初診時
CASE2 5回目
CASE 2:早期発症側弯症に対するSerial Casting治療
4~6ヶ月の間隔で、Gips矯正と体幹硬性コルセットを繰り返し、インプラント手術へのタイムセービングを行う治療です。可能であれば覚醒下で巻きますが、体動が自制できないお子さんは全身麻酔下でのGips巻きになります。
CASE3 頭側Foundation先行作製
CASE3 modified-Shilla法術後
CASE 3:早期発症側弯症に対するmodified-Shilla法
頭側にアンカーを置き、成長に合わせて尾側に伸ばしたロッドに沿うように椎体がスライドしていく治療法
本疾患の特徴、問題点、治療に関して、よくあるご質問は、日本側弯症学会内にQ&Aがございます。