看護局の活動
こども医療センターの目指す看護
こども医療センターを利用するこども達は成人とは異なり、成長発達の途中で疾患や障害を持ちます。疾患や障害はこどもの日常生活に変化をもたらし、成長発達にも大きな影響をもたらします。こどもの権利を守るということは、疾患や障害があっても、その子らしくいられることを意味しています。私たちは多くの職種や立場の人と連携し、こどもにやさしい看護を目指して様々な取り組みを行っています
地域合同カンファレンス
夏祭り
教育体制
教育理念
幅広い視野とあたたかい人間性をもち、患者の最善の利益を考えて行動できる看護師を育成します。
教育目的
- こども医療センター及び看護局の理念に基づき、患者の人権を尊重し、共感をもって人々と関わることができる人材を育成します。
- 患者・家族のニーズに応じた質の高い看護サービスを提供できる人材を育成します。
- こども医療センターの社会的役割を果たすために、医療者の立場で社会貢献できる
- 看護職員個々の学習ニーズと目標を尊重し、自己実現に向けて主体的に能力開発に取り組む人材を育成します。
教育目標
- 患者の成長発達・健康状態を判断し、根拠に基づいて個別的な看護を実践できる。
- 多様な価値観を尊重しながら、患者や家族の意思決定を支えることができる。
- チーム医療における役割を理解し、他部門との連携を図ることができる。
- 自己の役割において管理的視点をもち、看護単位の目標管理や病院経営に参画でき
- 問題意識を持ち研究や変革に取り組むことができる。
- キャリア形成や実践を通して、主体的に考え行動できる能力を開発・育成し、自己のキャリア形成が計画的に進められる。
キャリア形成支援システム
入職した看護師一人ひとりが、主体的にキャリア形成していけるよう「看護実践」「看護管理」「看護教育・研究」を段階的に学べるよう院内研修を組み立て実施しています。また、院内研修だけでなく、院外の各種卒後研修(認定看護師課程を含みます)や看護協会の研修、大学院就学などを支援しています。
看護教育科
科長を兼務する副看護局長と主任看護師で活動しています。看護の質の維持・向上を目指して、院内で行う看護師を対象とした研修の企画・運営や、看護実習生の支援、看護研究の取り組みへの支援など共に働く看護スタッフのキャリア形成を支えています。
新人看護師研修の様子
KCMCエキスパートナースコース
KCMC小児看護エキスパートナースコースは、看護実践能力を基盤にして、病気や障害を抱えた子どもや家族に対し多角的な視点を持ち、複雑な医療上の問題を理解するとともに、チーム医療における看護師の役割と目の前の患者に対する自らの責務を自覚しながらケアをやり遂げる小児看護のジェネラリストの育成を目的とした2年間のコースです。2016年より院外の受講生の受け入れもしています。(院外受講生の研修期間は1年間)
カリキュラムの紹介
小児・周産期医療の理解、コミュニケーション、看護倫理、看護研究、チームアプローチなど
修了者にばバッジが贈られます
黄色は院外受講生 赤は院内受講生
専門看護師・認定看護師の活動
小児看護専門看護師
病棟や外来・地域の場における活動や、スタッフへの継続教育、多職種との協働を通して、「実践・相談・調整・教育・研究・倫理調整」の6つの役割を用いながらこどもや家族へ質の高いケアを届けられるように実践しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
スキンケアを基盤とする創傷ケア、ストーマケア、失禁ケアを専門領域としています。スキンケア・褥瘡相談室やセクションに所属し、超低出生体重児から成人期に至る全年齢層のこどもと家族に、成長発達やライフイベントに合わせたケア方法の検討等を入院や外来で行っています。
感染管理認定看護師
感染症発生の予防と拡大防止を目標にICT(感染制御チーム)の一員として組織的に活動しています。感染対策の実施状況及び院内感染症発生の動向をモニタリングし院内感染症発生の早期感知や対応、感染対策の推進や改善に取り組んでいます。
新生児集中ケア認定看護師
出生直後の急性かつ重篤な状況にある新生児の身体的ケア、および親子関係形成を助けるケアを担っています。根拠に基づいた多面的評価により多職種やご家族とともに新生児のケアの質の向上、NICU環境の改善に努めています。
がん性疼痛看護認定看護師
疾患や病期を限定せず、疼痛を有する(処置・検査時の苦痛を含む)こどもと家族を全人的にアセスメントし、個別的かつ根拠に基づいた疼痛緩和ケアを提供することで、こどもと家族のQOL維持・向上に努めています。
緩和ケア認定看護師
全人的苦痛(身体・精神・社会・スピリチュアル)を抱えるこどもと家族のQOLを維持・向上させるために、多角的なアセスメントにもとづいた看護を提供し、苦痛の緩和や予防するケアを行います。緩和ケアサポートチームの一員として、子どもと家族のQOLを維持向上させるための小児緩和ケアの実践を行っています。
糖尿病看護認定看護師
糖尿病とともに生活するこども達とこどもを支える家族が、血糖コントロールの悪化を防ぎながら、生涯続くセルフケアや療養生活を自分らしく継続できるようにこどもの成長発達に合わせて支援しています。
手術看護認定看護師
周術期の子どもと家族のニーズに対応し、多角的視点と全人的なアセスメントを行い、個別性を理解してリスク回避のための最新かつ的確な情報をチームに提供し、術中の安全管理における調整的役割を担っています。
小児救急認定看護師
発達段階に応じた的確なアセスメントを行い、小児救急医療における子どもと家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護、子どもの虐待に対する予防、早期発見及び適切な援助を実践します。
小児プライマリケア認定看護師
医療的ケア児への社会的ニーズの増加、治す医療から治し支える医療への変化に合わせ、小児救急認定看護師から移行された資格です。実践に重きをおき、患者ケアのみではなく社会資源や医療制度、地域状況の知識をもとに、支援者支援の側面での活動を目指しています。
その他のリソースナースの活動
学会認定遺伝カウンセラー
遺伝カウンセリング外来、妊娠前外来、胎児相談外来を中心に遺伝カウンセリングを行い、遺伝性疾患の理解に向けた心理社会的支援、遺伝学的検査に対する自律的意思決定支援を臨床遺伝専門医と協力して行っています。
学会認定小児アレルギーエデュケーター
アレルギー科医師と協働しながら、アレルギー疾患のあるこどもとご家族へ直接的なケアを行い、アドヒアランスを高め、セルフケアが継続できるようなケア計画を一緒に考えながら支援しています。
協会認定重症心身障害看護師
協会認定重症心身障害看護師は、日本重症心身障害福祉協会が認定し、施設に入所している重症心身障害児と、その家族のQOLを支える看護実践の中核になる要活動しています。
NST専門療法士
食事内容の把握、栄養評価、経腸・静脈栄養管理、口腔ケア、排泄ケア、在宅支援、地域連携など、実際の生活を考慮した提案をおこない、低栄養や体調不良を防ぐきっかけを早期に見つけ、NSTのプロジェクトチームや他職種と協力しながら活動しています。
学会認定臨床輸血看護師
各セクションでのニーズに応じた勉強会や模擬製剤演習、定期的な輸血ラウンドによる現場指導、輸血委員会への参加など、輸血看護の質の向上を目指して活動しています。
保育士による病棟保育
ハイケア救急病棟2、4東、4西、4南、5西、5南、クリーン、新生児病棟、外来に各1~2名の保育士が配置され、入院しているこども達に保育を提供しています。こども医療センターの理念と基本方針に基づき、医療チームの一員として、こども達一人一人の成長発達に合った保育活動を行います。
病棟内のプレイルーム、病室、ベッドサイドで、こども達の体調に合わせて、季節の行事等をとり入れた活動を行っています。こどもが楽しく参加し社会性を学び、生活経験が豊かなものになる様、日々の保育を工夫しています。