循環器内科
ご挨拶
神奈川県立こども医療センターの心疾患治療チームは当センターが設立された1970年より診療を開始し50数年の歴史をもつ我が国では最も歴史のあるチームのひとつで、現在まで計10000例の心臓手術を行ってきました。心房中隔欠損症に対するカテーテルによる閉鎖術例数の多さや、世界的に認められたいくつかの斬新な外科治療法の開発など、我々循環器チームは我が国の小児循環器治療を牽引する存在です。また、治療成績においても秀逸な成績を挙げ、全国的にも、世界的にも認められています。
当センターの特筆すべきもうひとつの特徴は先天性心疾患の胎児診断例数の多さです。胎児診断された心疾患の新生児手術症例がもっとも多い施設で、今までは治療できなかった出生直後に死亡する最重症例を、正確な胎児診断をもとに計画的に治療にあたっています。平成15年から赴任され、無類の業績を残された心臓血管外科の麻生俊英先生が勇退され、平成30年9月から橘 剛が心臓血管外科部長に就任し新体制を発足致しました。今までの先人たちの精神を大事にし、こどもたち一人一人に寄り添う診療を心掛けたいと思います。
同じ心臓病と言っても、それぞれ違います。最適な内科治療、外科治療などより良い医療を求めてゆきたいと考えています。
循環器内科部長 上田 秀明
心臓血管外科部長 橘 剛
循環器内科の特色
循環器内科では、先天性心奇形、不整脈、心筋炎・心筋症など、小児の心臓に関する病気全般について、幅広く診療を行っています。診療にあたっては、心臓血管外科、新生児科、救急診療・集中治療科などと協力し、チーム医療により良好な成績をあげています。
先天性心奇形については、正確な診断、適切な手術のタイミングや方針の決定、術前・術後遠隔期の管理などがとても重要です。胎児診断技術の進歩により出生前に診断される症例が増加しており、新生児科と産婦人科との協力で出生時からの計画的な治療を行っています。手術時期や方針の決定にあたっては、十分に議論し、患者さんにとって最も効果的で優しい医療となるよう心がけています。
不整脈は、先天性心奇形によるものの他、学校心臓検診で発見されるものも多くなっています。軽症の不整脈に関しては、学校生活や運動を安全に行えるよう、確実なスクリーニングを心がけています。治療が必要な不整脈に関しては、内服治療の他、カテーテル治療(アブレーション)も積極的に導入しています。
心筋炎・心筋症は、心臓のポンプ機能の異常をきたす疾患で、生来健康であったお子さんで急激に状態が悪化することも多く、緊急の対応が必要です。当院では、救急診療・集中治療科や心臓血管外科との協力により、体外循環も含めた高度医療を迅速に行えるような体制を整えています。
当科の特徴として、症例数が非常に多いこと、また出生前診断が多いことから左心低形成症候群や無脾症、多脾症の単心室症をはじめとする重症心奇形の治療、重症心不全管理や心臓カテーテル治療を積極的に行っていることがあげられます。
心臓病の説明は、どうしても内容上難しくなりがちです。また同じ病気でもひとりひとり内容も、必要な治療は違います。ご理解して頂けるよう努力していますが、わかりづらいことがありましたらご遠慮なくスタッフまでご相談ください。代表的な項目に関して、以下にくわしくご説明します。
診療内容
カテーテル治療について
カテーテル治療には、“穴をふさぐ”、“せまい血管を広げる”、“血管をつめる”とさまざまな手技があります。いずれの治療も外科手術と比較して、お子様にとって、有効でかつ安全に出来ると判断した場合に行っています。場合によっては、手術を選択して頂いたり、手術と一緒に組み合わせて行う(ハイブリット治療とも言います)こともあります。どんなカテーテル治療にもリスクがありますが、有効性とリスクを充分考慮した上で、カテーテル治療に臨んで参ります。
心房中隔欠損(しんぼうちゅうかくけっそん)
心房中隔欠損は、右心房と左心房と間にある壁(心房中隔と呼びます)に穴(欠損孔)がある病気で、先天性心奇形の10-15%を占めます。欠損孔が大きい場合には、心雑音、肺炎を繰り返す、体重が増えにくいといった症状からみつかります。小学校に入ってからも学校検診で、心電図異常(不完全右脚ブロック)など特徴的な心電図のパターンから発見されることが多い疾患でもあります。欠損孔を通る血流が多いと、右心房、右心室や肺動脈への負担が大きくなり、不整脈や心不全の原因となるため、何らかの方法で心房中隔欠損を閉じる必要があります。
Amplatzer(アンプラッツァー)閉鎖栓を用いたカテーテル治療は、2005年に日本で承認され、当院では2006年に導入して以来、約500症例に治療を行ってきました。この治療は4泊5日の入院を必要とします。退院した日から普段通りの生活が可能です。傷がほとんど目立たない(両足の付け根にある血管を使用します)、負担が小さい事がメリットですが、欠損孔が大きい場合や難しい位置にある場合には、リスクが高くなります。当院では、心房中隔欠損全体の80%にカテーテル治療を行っていますが、残りの20%は現時点でも手術を選択しています。決して全員に対して出来る万能の治療ではありませんが、Occlutec(オクルテック)社、Gore(ゴア)社の閉鎖栓が加わったことで、よりたくさんの患者さんを対象に治療できるようになってきました。閉鎖栓の一部が大動脈を損傷する合併症のリスクもあるため、慎重にカテーテル治療と手術のメリット、デメリットを考えて治療法を選択する必要があります。
動脈管開存(どうみゃくかんかいぞん)
動脈管とは
大動脈と肺動脈とをつなぐ血管です。胎児期には、赤ちゃんにとって、とても重要です。胎盤から来る最も新鮮な血液は動脈管を通って脳へと運ばれて行きます。生まれた後に、肺での呼吸が開始されると必要なくなるため、通常は生まれて48時間以内に動脈管は縮んで閉じてしまいます。
動脈管開存とは
動脈管が開いたまま残った状態を動脈管開存と呼びます。全先天性心疾患の5〜10%を占める比較的頻度の高い疾患です。動脈管開存があると、大動脈から肺動脈へ血液が流れてしまい、結果的に肺静脈、左房・左室への血流が増え、心臓への負荷が高くなります。3〜4mm以上の太い動脈管の場合、汗が多い、呼吸がはやい、体重の増えが悪い、気管支炎をこじらせやすいなどの症状が出てきます。さほど動脈管が太くない場合でも左房や左室への血流が増えているため、基本的には治療が必要となります。雑音が聞こえないくらい細い動脈管開存の場合には( silent PDA と呼びます)、治療を必要としない事もあります。
治療
カテーテル治療には、コイルを用いる方法とアンプラッツアー閉鎖栓ADOを用いる方法の2種類があります。動脈管を通る血流が多い、動脈管がやや太い場合には、アンプラッツアー閉鎖栓ADOを用います。ADOにより安全に、より短時間に治療が可能となりました。いずれの治療も2時間程度で、入院は2泊3日です。
大動脈より動脈管開存を通って肺動脈が造影される。
動脈管開存を通る血流がコイルにより消失している。
ADOで動脈管開存の閉鎖を行ったところ。
血管形成術
主に先天性心疾患の術後に、肺動脈や大動脈の狭い箇所にバルーンカテーテルを用いて、血管をひろげる治療をおこなっています。手術とカテーテル治療のそれぞれの強みを最大限利用して、より良い治療効果を目指します。手術中にカテーテル治療を組み合わせて行うハイブリット治療を選択することもあります。治療を必要している箇所にダイレクトにかつ太いカテーテルでもアプローチができる点が強みです。
ステント留置術
肺動脈や大動脈の狭い箇所に血管形成術が行った後に、まだ狭い場所が残っていることがあります。こうした場合には、金網状になっているステントというものを用いることがあります。大人の領域では、心筋梗塞のリスクのある冠動脈内の狭くなっている箇所に対するステント留置術が、よく行われています。血管が硬くなっているため、バルーンカテーテルでは充分な治療効果が期待できないためです。ステントの材質も、技術の進歩に伴い改善され使いやすくなってきています。
左右の肺動脈の分岐部が狭い。(矢印)
左右の肺動脈の分岐部にステントが留置され、狭窄が解除された。
弁形成術
肺動脈弁や大動脈弁が狭くなっている場合に、バルーンカテーテルを用いて、弁をひろげる治療をおこなっています。特に生まれて間もない新生児の重症肺動脈弁狭窄や重症大動脈弁狭窄は、治療のタイミングを失わずに行うことがとても重要です。肺動脈弁が閉鎖している肺動脈弁閉鎖の場合にも、カテーテルで広げることもあります。カテーテル治療では治療効果があまり期待出来ない場合、外科手術を選択します。
右室流出路で造影を行い、肺動脈閉鎖を確認。(矢印)
肺動脈弁を穿破した後に、バルーンカテーテルで拡張を行っているところ。
1年後の右室造影像。肺動脈弁(矢印)の流れがスムーズ。
コイル塞栓術
チアノーゼがある場合に、肺動脈への血流を増やそうと体が反応して大動脈などから細い側副血管と呼ばれる血管を伸ばそうとします。わき道のようなものなので、通常の血管と比べて細く蛇行してします。こうした血管でも多すぎると心臓に負担になってしまったり、次の手術を行う場合、足をひっぱってしまうことがあります。こうした場合に、柔らかくて細いマイクロコイルを用いると有効なことがあります。
生まれつき、動脈と静脈が繋がっている血管奇形があります。動静脈瘻と呼びます。肺動静脈瘻や冠動静脈瘻が代表的です。動静脈瘻は次第に発育して大きくなったり、心臓への負担を来すことがあります。血管の形に沿って留置ができるマイクロコイルは、そうした血管の治療にとても有効です。
右冠動脈が直接左室に流れ込む冠動静脈瘻。
瘻孔にコイルが留置され、右冠動脈から直接左室に流れ込む血流がほぼなくなっている。
単心室症とフォンタン手術
単心室症とは?
通常心臓は4つの部屋にわかれ、左右2つの心室を有します。左右の心室はそれぞれ体血流、および肺血流を担うポンプの役割をします
単心室症とは左右心室が片方しかない、もしくは左右どちらかの心室が低形成で、肺血流および体血流を2つの心室別々に担えない疾患群のことです。
単心室症では一つの心室から全身へも肺へも血流を送らなければならず、効率の悪い循環になっています。このような循環では全身から帰ってきた酸素の少ない血液が一つの心室で混ざり再び全身に流れるためチアノーゼを伴います。また出生後、肺と全身にバランスよく血液が流れている状態は少なく、多くは肺血流が増えているか肺血流が減少している状態にあります。
単心室症に対する治療(フォンタン手術)
このような単心室症に対して、1.チアノーゼを消失させ、2.唯一の心室からは全身への血流のみを流し、3.肺への血流は心臓を通らず、血液の自然な流れで流す循環とする手術がフォンタン手術です(図1)。
フォンタン手術を完成させる場合、通常少なくとも3つのステップが必要となります。
- 初期準備手術(出生後1カ月以内)
肺血流が増えている場合、肺動脈を外からベルトで細くして血流をへらす肺動脈こう扼術(banding手術)、肺血流が減少している場合体動脈と肺動脈をつなぎ、肺血流を増やす短絡手術(BTシャント手術)を行います。肺血流量がちょうどよい場合、この時期の手術は必要ないこともあります。 - グレン手術(生後3〜6カ月前後)
上半身の静脈血を肺に流す手術(上大静脈-肺動脈吻合)を行います。これにより肺血流は上半身の血液でまかなわれます。ただし下半身の静脈血は直接心臓に流れ込むため、チアノーゼは残ります。 - フォンタン手術(生後1歳6カ月~2歳)
下半身の静脈血を肺に流す手術(下大静脈-肺動脈吻合)を行います。これにより上半身および下半身からの全ての静脈血は肺へと還流しフォンタン循環が完成します。これによりチアノーゼが消失します。
フォンタン手術を必要とする疾患の状態によって、グレン手術の前にさらに追加準備手術が必要なことがあります。
フォンタン手術後の問題点
血流を維持するポンプが1つで、肺血流は受動的に流れるため術後も様々なことへの注意が必要です。
- 心不全
弁逆流の出現や心機能低下がみられる場合があります。 - 不整脈
年齢とともに進行する場合があります。脈が遅くなる不整脈の場合ペースメーカー使用の可能性があり、脈が早くなる不整脈の場合内服薬およびペースメーカーを使用する場合もあります。 - 血栓形成
フォンタン循環では血栓症を発症するリスクがあります。当院では予防のためアスピリンを、またリスクの高い症例ではワーファリンの内服を行っています。 - タンパク漏出性胃腸症
肺動脈圧の高い症例などで血液中のたんぱく質が腸に抜け出し、低たんぱく血症と浮腫を認める場合があります。 - 肝機能障害
肝臓からの血液のうっ滞に伴い、肝機能障害や肝硬変さらには腫瘍を生ずる場合があります。 - チアノーゼの増強
側副血行の発達や、肺の中でバイパスが生じチアノーゼが進行する場合があります。カテーテル治療や肺動脈の圧を下げる治療が必要になる場合があります。
良いフォンタン循環を維持するには?
良いフォンタン循環とはいかに低い肺動脈圧を維持し、全身からの血液の還りをよくするかということになります。
下記にフォンタン循環の血液の流れをお示しします(図2)。
全身からの血流は上下の大静脈→肺動脈→肺→肺静脈→心房→心室→大動脈→全身の順番に流れています。良いフォンタン循環の維持のためには図に示す時計方向の流れをいかにスムーズにするかということが大切になります。そのために弁逆流があればそれを治療し、狭窄があればその解除が必要になり、唯一のエンジンである心室の動きが悪くなると心機能を高める治療を行っていきます。このように時計まわりの流れをいかに良くするかがフォンタン循環を保つために大切なことになります。
より良い生活を営んでいただくためにできること
現在当院でも年間25例程度フォンタン手術に到達する方がいらっしゃいます。10年で200人以上の方が社会に飛び出していく計算になります。成人されてもよりよい社会生活を営んでいただくために、まずは良いフォンタン循環を維持していくための質の良い医療をご提供することが循環器チームの最低限の責務と考えています。また成長されていくお子様がより積極的な社会参加が出来るよう小さい時期からの教育や環境を整えるお手伝いができればと考えます。そのためにご家族はもちろん、地域社会や学校関係の方々と共にお子様の成長を見守っていきたいと思います。
2022年より成人期を控えた患者様に対して、検査入院を利用した教育プログラムを実施しております。ご興味のある方は、外来主治医にご相談ください。
胎児診断について
胎児診断とは
胎児診断ができなかった場合、出生後に赤ちゃんの具合が悪くなってから、緊急で赤ちゃんを治療できる病院に搬送することになります。赤ちゃんの具合が搬送中にさらに悪化する場合もありますし、搬送に耐えられない場合もあります。さらに、具合が悪い状態で、かつ限られた時間のなかで正確な診断を付け、手術などの治療方針を立てなければなりません。 ご両親にとっても限られた時間で赤ちゃんの病気を理解し、手術などの治療を受けるための同意をしなければなりません。このことは出産直後のお母さんにとっては非常につらいことだと思います。一方、胎児診断が出来ていれば、出生前から胎児の状態や病気を理解し、十分な説明と準備を行いながら出産を待つことが出来ます。このように、重症な心臓病をもって生まれる赤ちゃんが十分な治療を受けて頂くために、胎児診断は非常に大切で欠くことが出来ないものになっています。
当院の実績
当院では、神奈川県内を中心とした多くの産科施設と協力して胎児診断システムを構築し、全国でも有数の胎児心臓病診断を行っています。診断した病気・予想される経過・分娩時期と方法・出生後の治療などを妊婦さんとご家族にお伝えします。重症の心疾患については、各科と緊密に連携し、出生前より計画した上で出生直後より治療を開始します。出生前のこどもさんの病気の告知は大きなストレスであるため、関係スタッフが精神的な支援を行なっています。
胎児心臓病外来(受診方法)
かかりつけの産婦人科で胎児の心臓病を疑われた場合、他の胎児異常で当院へ紹介となった場合、胎児心臓病外来で胎児心エコー検査を行います。池川健(循環器内科)および川滝元良(非常勤医師、新生児科)が担当します。予約は当院産婦人科外来にて行います。受診ご希望の方は、かかりつけの産婦人科より当院産婦人科へご紹介いただくようお願いします。
遺伝カウンセリングセンター
遺伝カウンセリングセンターは、先天的なご病気、遺伝子が関係するご病気のあるお子様、ご家族のために、こども医療センター内に設置されたカウンセリング部門です。 胎児心臓病外来では、小児看護専門看護師が、ご家族の意思を尊重しながら、産科医師と循環器内科医師、助産師とともに、出産まで継続して支援させていただきます。また、お子様の出生後も引き続き、新生児科医師、循環器内科医師及び心臓血管外科医師、お子様が入院することとなる新生児科病棟・ICU病棟・ハイケア病棟看護師とともに、お子様とご家族の療養生活および今後の育児支援をさせていただきます。
※「新しい命のためのサポートセンター」は2024年度より「遺伝カウンセリングセンター」に改称しました。
主な取り扱い疾患
循環器内科では、先天性心奇形、不整脈、心筋炎・心筋症など、小児の心臓に関する病気全般について、幅広く診療を行っています。
外来診療担当表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 |
池川 健 ペースメーカー (第1週) |
柳 貞光 池川 健 |
上田 秀明 |
小野 晋 若宮 卓也 |
シナジス ペースメーカー (第1週) |
午後 |
小野 晋 加藤 昭生 |
柳 貞光 若宮 卓也 |
加藤 昭生 |
柳 貞光 若宮 卓也 |
柳 貞光 |
スタッフ紹介
上田 秀明 / 副院長、科長
専門分野 | 小児循環器学、先天性心疾患のカテーテル治療 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医、日本小児循環器学会 小児循環器専門医、経皮的心房中隔欠損閉鎖術・術者認定、経皮的動脈管開存閉鎖術・術者認定 |
所属学会 | 日本小児科学会 日本小児循環器学会、日本循環器学会、日本 Congenital Interventional Cardiology 学会(幹事、教育委員会委員、調査委員会委員、小児心疾患に対するカテーテルインターベンションのガイドライン委員会)、ASDカテーテル治療インストラクター、日本小児肺循環研究会(幹事)、神奈川小児肺高血圧研究会(世話人)、日本肺高血圧学会(評議員)、日本成人先天性心疾患学会 |
ひとこと | 名古屋大学医学部 平成5年卒業。 |
柳 貞光 / 部長
専門分野 | 小児循環器学、成人先天性心疾患 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医、日本小児循環器学会 小児循環器専門医 |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本 Congenital Interventional Cardiology 学会、日本成人先天性心疾患学会 |
ひとこと | 琉球大学医学部 平成6年卒業。 |
小野 晋 / 医長
専門分野 | 小児循環器学、先天性心疾患のカテーテル治療、運動生理 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本小児循環器学会 小児循環器専門医、経皮的心房中隔欠損閉鎖術・術者認定、経皮的動脈管開存閉鎖術・術者認定 |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会(評議員)、日本 Congenital Interventional Cardiology 学会(幹事)、日本成人先天性心疾患学会、日本小児心電学会、日本小児肺循環研究会(幹事) |
ひとこと | 神戸大学 平成16年卒業。 心臓に疾患を持つお子さん達がより良い人生を送れるよう、自分に何ができるかを模索する毎日です。 「生涯発展途上」をモットーに頑張っていきます。 |
若宮 卓也 / 医長
専門分野 | 小児循環器学、心臓MRI |
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取得資格 | 医学博士、日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本小児循環器学会 小児循環器専門医 |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本 Congenital Interventional Cardiology 学会 |
ひとこと | 滋賀医科大学医学部 平成20年卒業。 心臓病で困っているお子さんと、そのご家族に適切な医療の提供と、丁寧な説明を心がけて頑張ります。 |
池川 健 / 医長
専門分野 | 小児循環器学、胎児診断 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本小児循環器学会 小児循環器専門医、日本胎児心臓病学会胎児心エコー認証医 |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本胎児心臓病学会、日本 Congenital Interventional Cardiology 学会 |
ひとこと | 浜松医科大学医学部 平成22年卒業。 胎児の心エコーを専門にしていますが、心臓全般も担当しています。お腹の中にいるときから、出生後大きくなるまでの長期に渡り、心臓の病気を持ったお子さんとそのご家族のサポートをしていきます。 |
加藤 昭生 / 医長
専門分野 | 小児循環器学、先天性心疾患のカテーテル治療、胎児心臓病 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本小児循環器学会 小児循環器専門医、経皮的心房中隔欠損閉鎖術・術者認定、経皮的動脈管開存閉鎖術・術者認定、日本胎児心臓病学会胎児心エコー認証医 |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本 Congenital Interventional Cardiology 学会、日本成人先天性心疾患学会、日本胎児心臓病学会 |
ひとこと | 山梨大学 平成22年卒業。 患者さんとそのご家族に寄り添えるような医療をより低侵襲で行えるように目指します。 |
井上 史也 / 医師
専門分野 | 小児循環器学 |
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取得資格 | 日本小児科学会専門医、PALSプロバイダー、NCPRプロバイダー |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本小児救急医学会、日本Congenital Interventional Cardiology学会
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ひとこと | 千葉大学医学部 平成29年卒業。 患者様本人、 |
樽谷 朋晃 / 医師
専門分野 | 小児循環器学 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医 |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本Congenital Interventional Cardiology学会 |
ひとこと | 防衛医科大学校医学部 平成26年卒業。 患者様と御家族が笑顔で過ごせるような医療を提供できるよう努め |
矢内 敦 / 医師
専門分野 | 小児科学、小児循環器学、新生児学 |
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取得資格 | 日本小児科学会 小児科専門医、PALSプロバイダー、NCPRプロバイダー |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本周産期新生児医学会、日本新生児成育医学会、日本胎児心臓病学会 |
ひとこと | 東北大学医学部 平成30年 卒業。 心臓病のこどもたちとそのご家族に寄り添う医療を提供できるように努めていきます。 |
橘高 康文 / 医師
専門分野 | 小児科学、小児循環器学
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取得資格 | なし |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本 Congenital Interventional Cardiology学会
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ひとこと | 大阪大学医学部医学科 平成31年卒業。
心臓病の子供たちとご家族の笑顔を守るため、最善の医療を提供できるように努力してまいります。
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小森 和磨 / 医師
専門分野 | 小児循環器学 |
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取得資格 | なし |
所属学会 | 日本小児科学会、日本小児循環器学会 |
ひとこと | 東北大学医学部医学科 平成31年卒業。 患者さんとご家族に寄り添って診療を行っていきます。 |
2016年度の循環器内科入院患者の疾患別内訳、心臓カテーテル件数は以下の通りです。
疾患名 | 総入院 件数 |
新患者 | 疾患名 | 総入院 件数 |
新患者 |
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13トリソミー | 1 | 左外腸骨動脈瘤 | 1 | ||
BWG症候群 | 2 | 左冠状動脈肺動脈瘻 | 1 | 1 | |
RSウイルス肺炎 | 2 | 1 | 左冠動脈左室瘻 | 1 | 1 |
WPW症候群 | 3 | 3 | 左室心筋緻密化障害 | 1 | 1 |
ウイリアムズ症候群 | 1 | 左心低形成症候群 | 21 | 1 | |
エプスタイン奇形 | 3 | 2 | 左大腿筋間血腫 | 1 | |
ヒトメタニューモウイルス気管支炎 | 1 | 左肺動右肺動脈起始 | 1 | 1 | |
ファロー四徴症 | 64 | 7 | 左肺動脈狭窄 | 3 | |
マルファン症候群 | 2 | 左肺動脈左腕動脈起始 | 1 | ||
胃軸捻転 | 1 | 細菌性肺炎 | 4 | ||
胃腸炎 | 10 | 1 | 三心房心 | 1 | |
右冠動脈肺動脈起始 | 1 | 三尖弁狭窄症 | 2 | ||
右室型単心室症 | 5 | 三尖弁閉鎖症 | 20 | ||
右肺動脈狭窄 | 2 | 1 | 主要大動脈肺動脈側副血行路 | 2 | |
右肺動脈上行大動脈起始 | 2 | 1 | 修正大血管転位 | 9 | 1 |
右部分肺静脈還流異常症 | 2 | 1 | 重症エブスタイン奇形 | 1 | |
冠状動脈瘻(右冠動脈ー右室交通) | 1 | 重症大動脈弁狭窄 | 4 | ||
完全型房室中隔欠損症 | 27 | 5 | 純型肺動脈閉鎖 | 17 | 1 |
完全大血管転位症 | 21 | 2 | 消化管出血 | 3 | |
感染性心内膜炎 | 1 | 心室中隔欠損症 | 56 | 32 | |
肝細胞癌 | 1 | 心房中隔欠損症 | 60 | 43 | |
気管支炎 | 8 | 先天性門脈体循環シャント | 2 | ||
急性上気道炎 | 7 | 川崎病性冠動脈瘤 | 2 | ||
急性心筋炎 | 1 | 1 | 僧帽弁狭窄症 | 1 | |
急性心膜炎 | 2 | 2 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 1 | |
急性肺炎 | 8 | 総動脈幹症 | 16 | 2 | |
局在関連てんかん | 2 | 総肺静脈還流異常 | 4 | ||
菌血症 | 4 | 多脾症 | 14 | ||
呼吸障害 | 2 | 大血管転位症 | 1 | ||
大動脈弓離断症 | 1 | 脳梗塞 | 4 | ||
大動脈縮窄症 | 19 | 5 | 肺動静脈瘻 | 1 | |
大動脈弁狭窄 | 3 | 1 | 肺動脈狭窄 | 10 | |
大動脈弁上狭窄 | 2 | 1 | 肺動脈閉鎖症 | 34 | |
大動脈弁閉鎖不全症 | 2 | 1 | 肺動脈弁狭窄 | 4 | 1 |
単心室 | 22 | 3 | 発作性上室頻拍 | 1 | 1 |
蛋白漏出性胃腸症 | 13 | 肥大型心筋症 | 5 | 1 | |
鋳型気管支炎 | 10 | 部分型心内膜床欠損 | 2 | ||
動脈管開存症 | 15 | 10 | 部分肺静脈還流異常 | 3 | 2 |
特発性拡張型心筋症 | 5 | 慢性心不全 | 12 | ||
乳幼児特発性僧帽弁乳頭筋断裂 | 1 | 無脾症候群 | 30 | 3 | |
尿路感染症 | 2 | 両大血管右室起始 | 35 | 5 | |
総計 | 674 | 145 |
手技名 | 件数 |
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心房中隔欠損閉鎖術 | 47 |
経皮的血管形成術 | 24 |
経皮的肺動脈ステント留置術 | 5 |
バルーン弁形成術 | 6 |
心房中隔欠損作成術 | 6 |
コイル閉鎖術 | 32 |
Amplatzer 動脈管閉鎖栓留置術 | 5 |
心房中隔ステント留置術 | 1 |
肺静脈高度狭窄に対する血管形成術 | 5 |
冠動静脈瘻血管塞栓留置術 | 1 |
肺動静脈瘻血管塞栓留置術 | 1 |
カテーテル焼約術 | 5 |
患者様のご紹介方法
外来へのご紹介
心雑音の精査、心電図異常、先天性心疾患の治療等、小児期の循環器診療の全般について対応いたします。紹介状を作成いただき、当センター地域医療連携室へ郵送してください。電話連絡でも結構です。お手紙又はお電話で、保護者の方に診察日(初診日)をお知らせします。
胎児心疾患の疑われる母体につきましては、当センター産婦人科外来までお問い合わせ下さい。
緊急のご紹介
小児循環器疾患により入院治療が必要と考えられる場合、夜間休日も含め対応いたします。ICUにて呼吸循環管理を要する症例、急性心筋炎等により補助循環の適応が予想される症例につきましても受け入れます。
平日日中は循環器内科柳医師まで、平日夜間および土日祝日は内科上席当直医師までご連絡ください。重症患者につきましては、救急診療科045-711-2351(内線5209)でも対応いたします。
新生児搬送につきましては、平日日中は循環器内科柳医師まで、平日夜間および土日祝日は新生児科当直医師までご連絡ください。
詳しくは、当センターホームページをご参照ください。
セカンドオピニオンについて
当センターではセカンドオピニオン外来を行っております。セカンドオピニオンは、病気の診断や治療方法について、現在治療を受けている医療機関の主治医以外の専門医師に意見を聞き、患者さん自らがより良い治療方法を選択できるようにしていくために行われるものです。セカンドオピニオンでは、あくまでも専門医師として治療方法等についての意見を述べるにとどまり、患者さんに対し処置、検査等の直接的な診療行為は行いません。あらためて当センターでの検査をご希望の場合は、通常の初診予約をおとりください。
受診方法につきましては、当センターホームページをご参照ください。
また詳細は、当センター地域医療連携室(電話:045-711-2351、内線3126)へお問い合わせください。
公開カンファランス
当センターでは、地域医療機関との連携を深める目的で、下記の勉強会を年数回開催しております。
- 心臓病胎児診断症例報告会
日程等詳細につきましては本ホームページのトップページに掲載いたします。皆様のご参加をお待ちしております。また、各医療機関におけるカンファランスで、当センターの診療症例のご報告をすることも可能ですので、お気軽に声をかけていただければ幸いです。
シニアレジデント募集
当科ではシニアレジデントを募集しています。
研修目的
小児科診療経験2年以上の医師を対象とし、2年間で総合的な臨床力と即戦力をもつ小児循環器医を育成します。
研修目標
当院では 年間350例以上の心臓カテーテル検査、100例を越すカテーテル治療、250例前後の先天性心疾患に対する心臓手術を行っております。豊富な臨床例をもとに、小児循環器医として総合的な臨床力を身につけます。また、当こども医療センターの特性を生かした包括医療を研修し、小児科専門医としての総合力を習得して頂きます。
- 先天性心疾患の診断(胎児診断)と治療
胎児診断例は、年々増加しており、治療上極めて重要です。
チアノーゼ性心疾患および非チアノーゼ性心疾患 - 後天性心疾患の診断と治療
心筋症、肺高血圧症、不整脈など - 心疾患に対する集中治療
循環作動薬、窒素や一酸化窒素を使った管理など - 特殊検査の手技、技術の習得
心エコー検査、心臓カテーテル検査など - 各種検査の実践と循環器的解釈
エコー検査、心臓カテーテル検査、三次元CT検査、MRI検査、核医学検査、運動負荷試験など - 学会発表および論文作成
小児循環器病学会をはじめとした様々な学会での発表
学会発表の内容を深め、症例報告や原著論文の執筆を目指す。
経歴や経験年数は問いません。私たちが期待するものは、小児循環器科医療を学びたいという意欲と熱意です。研修のお手伝いをさせて頂くスタッフの背景もさまざまです。
ヨーロッパ最古の大学であるボーニャ大学やパトヴァ大学で教鞭を執ったこともあるガリレオ・ガリレイの言葉に“人に、何も教えることはできない。できることと言えば、その人自身が、自分で見つけるのを助けることだけだ。”という言葉があります。古い慣習に縛られることなく、自由な雰囲気な中で、一緒に学び、情報を発信して行きませんか?
興味のある方は是非ご一報下さい。
シニアレジデントより
シニアレジデント1年目の橘高康文と申します。2024年4月からこちらで小児循環器の専門研修を行っています。ここでは実際の研修の様子をお伝えできればと思います。
シニアレジデント(小児循環器科専門研修医)は主に病棟業務に従事します。入院患者さんは、スタッフとレジデントがペアとなり受け持ちます。現在はシニアレジデントが4人、ジュニアレジデント(小児科後期研修医)のローテーターが1人所属しており、長期に渡る入院患者さんはレジデント1人あたり5〜10人ずつです。またカテーテル検査・治療入院も週に2〜3人担当します。その他にCT・MRIなどの検査入院や、成人移行前の教育入院なども担当します。また当科かかりつけ患者さんの救急外来対応や他科から相談された患者さんの診療も行っています。
1日の流れです。平日は朝7時45分にPICUに集合し、当直医からPICUの患者さんの申し送りが行われます。自分の担当患者さんが前日に手術していた場合は、術後の心エコー所見をプレゼンします。そのままHCU2(心疾患患者の病棟)のラウンドを心臓血管外科・循環器内科で行います。金曜日にはNICUの回診も行い、新生児科の先生方とNICUに入院されている心疾患の患者さんの治療方針などを相談します。
1週間の流れは次の表の通りです。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 心カテ | 心カテ入院 | 心カテ | 心カテ入院 |
NICU回診 治療カテ |
午後 | Day入院 |
心カテ |
治療カテ | ||
夕方 | 内科カンファ |
内科外科 合同カンファ |
内科カンファ |
週末はスタッフ、レジデント各1名が当番となります。朝9時にICUに集合し、平日と同様に回診をし、当科で入院している患者さんの診察や指示出しを行います。
当院の研修は1人1人が経験する症例数が非常に多く、心疾患に関してバリエーションに富んだ患者さんの全身管理をバランスよく学ぶことができ、幅広い経験と知識を得ることができます。
是非とも当院で研修しませんか?
短期研修プログラム
当科では小児循環器分野に興味のある小児科医師、循環器内科医師の短期研修を受け入れます。
研修目的
年単位での研修が困難な医師の方々に短期間で集中的に小児循環器分野の臨床を学ぶことを目的としています。シニアレジデント同様、患者さんを受け持ち、心エコー、心臓カテーテル、カンファレンスでのプレゼンテーションなどを行うことで、臨床技術や診療のエッセンスの習得を目指します。
研修期間
最低1週間からの受け入れが可能です。これまでの実績から、3か月以上の研修を行うと相当数の疾患を経験することができ、小児循環器分野に関する造詣が深まります。