疫学研究部門
->部門長 | 室谷 浩二 Koji MUROYA M.D., Ph.D. |
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任期付研究員 | 岩野 麗子 Reiko IWANO Ph.D. |
研究領域
先天異常モニタリング研究室
先天異常の発生を継続的に監視して、主として環境要因により誘発される先天異常の発生を早期に検出し、さらに予防または減少へつなげることが先天異常モニタリングの目的です。神奈川県では、1981年に始まった厚生省心身障害研究「先天異常のモニタリングに関する研究」(1981-1985年)以来、先天異常モニタリング(神奈川県新生児特別地域保健事業(1989-2008年))を継続して行いました。この1981年から2008年までの26年6ヶ月の間に、990,978例が登録され、9,537例の奇形児が報告されました。
この間、母年齢の上昇・高齢出産の増加・出生前診断の普及と進歩・生殖補助医療の普及など、先天異常発生に関わる要因は大きく変化しました。先天異常発生要因に関する26年間のデータは、今後も先天異常発生要因に関する研究に寄与することが期待されます。
黒澤 健司
新生児マススクリーニング研究室
内分泌代謝科の重要な業務として、神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市が行っている新生児スクリーニング事業への協力があります。具体的には、精査結果の集計・陽性者の追跡調査および事業内容向上のための研究活動です。神奈川県は県と政令指定都市が協調して事業を行うため、県内共通のスクリーニング体制が敷かれています。
これは他県には例のない、特筆されるべき点です。その他には、実施マニュアルの整備・追跡体制の確立・Free T4測定による中枢性クレチン症の見逃し防止導入など、新生児マススクリーニングの先進県とされます。内分泌代謝科・臨床研究室疫学研究部門として、今後もこのシステムの発展に貢献したいと考えます。
室谷 浩二