リンパ管腫(リンパ管奇形)
概要
全身のどこかに、やわらかい腫瘤(こぶ)ができる病気です。リンパ管の奇形とされています。リンパ管は血管と同じく、全身に分布する細い管で、リンパ液と呼ばれる液体を運んでいます。この病気では、生れてくるまでに、このリンパ管がうまく管になる事ができず、小さな袋が多数できてしまいます。小さな袋が集まり、全体としての腫瘤(こぶ)になります。袋の中にはリンパ液が溜っています。全身どこにでもできる可能性がありますが、首や顔にできる事が一番多いです。内部に出血したり、菌が入ってしまうと、ある日から急に腫れてくる事もあります。
治療法
治療の選択肢は硬化療法、手術、漢方、経過観察などになります。リンパ管腫内部の袋の大きさ、発症の仕方、病気の位置と周囲構造との関係などによって、最も適切な治療を選ぶ必要があります。状況によって自然縮小を期待できることもありますので、直ぐに治療するのが最善とは限りません。 首のリンパ管腫の重症例では、リンパ管腫によって気道が狭くなったり潰れてしまう危険性が出てきます。気管切開(喉に孔をあけ空気の通り道を確保する治療)が必要になる事もあります。当院では、重症例でも気管切開をしないで治療する方法に取り組んでいます。
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