外反足
外反足とは?
生まれつき足が外に向いている場合、一番多いのは外反踵足です。これは子宮内で足が背屈していたためになるもので、足先がすねについた状態で生まれてくるケースもあります(図1)。自然に治りますが、足の底屈制限がある時にはおむつ替えの時に5秒くらい底屈位(底屈とは正座する時の足の形)に保つストレッチを10回くらい行います(1日3セット程度が目安です)。たいていの場合はこのストレッチで正常な足に戻ります。また、頻度は少ないですが、先天性垂直距骨といって、重度の外反足もあります。歩くようになってくると外反扁平足といって、足の外側が浮くような状態になることもあります。骨に異常があるわけではなく、体全体の関節が軟らかい子に多く、大きな支障がでることはありません。
図1
外反扁平足の治療の必要性について
歩きはじめは、たいてい扁平足があるので、あまり気にする必要はありません。外を歩くようになっても扁平足が気になるようであれば、ハイカットシューズを履くことをお勧めしています(図2)。また足の外側が完全に浮いてしまうような場合(図3)には2歳くらいから足底挿板という靴の中敷きを作ることがあります(図4)。3~4歳になっても扁平足が残る時も足底挿板を作ることがあります。扁平足は小学校高学年くらいで自然に良くなってくることが多いですが、ダウン症のように関節が軟らかい体質がある場合には大人になっても残ることがあります。大きな問題はないのですが、外反母趾を合併したり、装具を使っている方が調子が良い場合は大人でも足底挿板を作ります。
図2
図3
図4
先天性垂直距骨とは?
生まれつき足の土踏まずがでっぱったような形(舟底変形)をしている病気です。他の変形を伴わない特発性と先天性多発性関節拘縮症に合併するものがあります。生後2~3週からギプス矯正を行い、その後手術を行う場合もあります。歩くようになったら足底挿板を使って様子をみます。
一般的に垂直距骨のレントゲンは立った状態あるいは自然な状態で判断することになっていますが、2歳くらいの子は泣いてしまうため、立った状態のレントゲンは撮れません。神奈川県立こども医療センターでは足の背屈位、底屈位のレントゲンを撮って重症度を判定しています。その重症度と経過に応じて2~4歳くらいで手術を行っています。ギプスと装具だけで治せるような場合もあります。手術は内反足の手術の応用ですが、内反足よりも難しく時間もかかります(図5, 6)。
図5
図6