尿道外傷・尿道狭窄
交通事故や落下事故でおしっこの通り道(尿道)が切れておしっこが出せなくなった、膀胱にくだがはいっている、というような状態です。交通事故で尿道が切れてしまった場合は腰骨も骨折している重傷が少なくありません。
当院は救急救命センターではありませんので、事故直後の治療を救急病院で受けられ、いったん落ち着いてから膀胱にくだが入った状態でご紹介頂く場合が多いと言えます。
当科の診療の特徴
遠方から来られるお子さんが多く、事故直後の記憶などから検査への恐怖心が強いお子さんが少なくありません。
受傷後3ヶ月は傷が落ち着くのを待ちます。
そのあと短期の検査入院を行います。
全身麻酔をかけて痛みや恐怖のない状態で内視鏡とレントゲンを用いて尿道の切れている部分や狭い部分を調べます。
当科の手術の特徴
ジャングルジムからの落下などで、またの部分を強打して生じた尿道狭窄では狭い部分は比較的短く、狭窄部を切除してつなぎ直します。
交通事故などで完全に尿道が切れてしまったときは、こどもではおしっこをためる膀胱も上方に移動していることがあります。
このような場合はおなか側と、おしり側と両方から切れた部分を探しに行きつなぎ直します。
入院期間
安静期間は約3日で、1週間程度の入院になります。ただし術後3~4週間はおしっこの通り道にくだを入れておきます。 くだを抜くときにレントゲン検査でつないだ部分を確認します。
手術成績
特殊な手術ですが、最近10年間で1歳から12歳まで12名のお子さんの手術を行っております。
術後はすべてのお子さんが排尿できるようになっています。長期的に尿のもれや勃起障害がおきないかどうかを確認しております。