アレルギー科 専門研修医募集(2025年度の募集は終了しました)
募集内容
神奈川県立子ども医療センターのアレルギー科は、現在、常勤医3名、任期付常勤医(専門研修医)1名とローテーションの後期研修医1名の体制で診療を行っています。任期付常勤医(専門研修医)を募集しています。
年々増加するアレルギー疾患に対する診療・研究に深く携わる生活を送り、レベルアップした診療・知識を習得しませんか。
現在、小児科後期研修中や他科で働かれている方で、将来、当科でのアレルギー専門研修を検討している方も早めにご相談ください。ぜひ、見学に来てわれわれのアットホームな雰囲気を実感していただければと思っています。それまでにどのような医療キャリアを築いていくのがよいのかということも含めて、相談にのっております。
【point】アレルギー専門医が取得できる
当病院はアレルギー学会教育研修施設に認定されており、現在、アレルギー学会指導医2名、専門医1名と3名が専門医の資格を保持しております。研修をすることで、アレルギー専門医の資格習得が可能です(ただし基盤学会(小児科など)専門医資格が必要)。
【point】多彩なアレルギー診療に集中できる(トータル・アラージストを目指す)
「教育こそすべて」をモットーのもと丁寧に指導します。アレルギーだけを集中的に診療する生活の中で、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹、薬物アレルギーにバランス良く対応できるようになります。目指すは、真の”トータル・アラージスト”です。さらに、”治すアレルギー治療”免疫療法(経口免疫療法、皮下注射免疫療法、舌下免疫療法)、薬物減感作療法を視野に入れた診療を多数実践することができます。
「EBMに基づいた正しいアレルギー診療」を重要視しています。外来診療のトレーニングも重視しており、診療内容について絶えずフィードバックを受けることができます。“自己流でただ多くの症例を経験した”だけの研修にならないように心がけています。
【point】子ども専門病院という子どもに優しい医療施設での研修
子ども専門病院は検査なども子ども目線で実施しています。院内のデコレーションやたくさんの子供達の笑顔に癒される毎日を送ることができます。また、全国から集まった後期研修医が10週ごとに当科をローテーションするため、彼らへの指導を行う能力も高めることができます。人はinputすることではなく、outputすることで知識を定着させることができるので教える機会は自分にとってもチャンスです。
小児の他の専門科のレクチャーも毎週水曜日の夕方に開催されており、内容も後期研修医が理解できるものとなっています。高度な多領域の小児科専門医療の知識を得られる機会にもあふれています。
【point】臨床研究も力を入れています(英語での発表も可能)
横浜には、パシフィコ横浜という学会がよく開催される会場があり、様々なジャンルのアレルギー関連の学会・研究会に参加できます。日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会だけでなく、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会や皮膚免疫アレルギー学会など、他分野のアレルギー関連学会への参加を推奨しています。学会は自分が発表するだけでなく、発表なしでも積極的に参加できる機会を設けていますし、外部のセミナーもなるべく参加できるようにしています。
臨床研究にも関わっており、統計処理ソフトなどを使いこなしながら、データ解析もできるように丁寧に指導します。また、中学生レベルの英語ができれば(翻訳ソフト・翻訳サービスをうまく利用して)、国際学会での発表、英文雑誌への投稿なども経験者の指導の下でチャレンジすることができます。「経験が無いけど、チャレンジをしてみたい」と思っている方を待っています。規模が小さい科だからこそ、皆さんの「自分でこんなことをやってみたい!」という熱意に応えることを大切にしています。
【point】On Offを明確にしたワークスタイル
週末・夜は全日オンコール体制となっており、カンファレンスも昼間に変更するなど勤務時間も働き方改革を意識したものとしています。子育てしながらも充実した研修が送れるように、クラウドやwebサービスを使用しながら業務の効率化も目指しています。スタッフ全員、夏季休暇5日、有給休暇5日消化を義務としているので、「自分だけが休暇を取るなんて」という気遣いをする必要がありません。横浜はお店やイベント施設がコンパクトに集まっている場所なので、On Offのバランスが取りやすい生活を送ることができます。大学の医局とは関係なく運営されており、食事会も定期的に行って少人数で楽しく診療に関わっています。
教育指導方針
目標は他の医師に指導できるドクター
「アレルギーのことならあの人に相談すれば大丈夫だ」と言われるような、アレルギー全ジャンルを網羅的にカバーする医師の育成が目標です。例えば、近年アレルギーの対応の中心となっている食物アレルギー児の介入方法から、気管支喘息患者の麻酔前管理や薬物アレルギーの診断・治療など、信頼できるアレルギーのオールラウンダーになることを目指します。
結果よりも過程を重視した教育を行います
研修では、結果(治療)が正しいことを確認することよりも、そこまでに至る過程が正しいかどうかを十二分に評価します。過程(フォーム)が正しければ、結果は自ずと正しいものとなります。しかし、フォームが間違っていても、偶然結果が正しいことはよくあります。しかし、そのような「臨機応変」の医療は実は偶発的要素が大きく、確実性に欠けます。
診療において、どんな処方をしたかよりも、どのような説明をしたか、どのような考え方をしているかを丁寧にスタッフ間で評価していきます。患者・家族・他医師に最高のアレルギー医療・情報を提供するために努力を積み重ねることを大切にします。各々が個人の都合・力量に応じて技術を習得するのではなく、マイペースでも、時間がなくても成長できる!こういうトレーニングを提供します。
できないということを楽しめるようにしよう
今できないことは、伸びる可能性があるということであり、絶望ではなく希望です。漫然とのぞむのではなく、自分がどこまでわかっていて、どこからがわかっていないのかを絶えず振り返り、自分の成長できる部分をワクワクしながら探していくようにします。
やっていることを"前向き"に否定しよう
「今までこれでやってきました。」「これまでの治療で困ってないからいいんだ」という考え方は、日進月歩の医療の世界ではこのような経験則が、新規の考え方を導入していく上で障害になってしまうことすらあります。自分の医療をたえず見つめ直し、新しい考え方に対応する姿勢を保ち続けることが大切です。「課題は今分からないことではなく、分かっているつもりになっている部分に潜んでいる。」ということをテーマに指導を行っています。私たちも、そのような旧態依然の思考にしばられないために、みなさんの素朴な疑問を待っています。
国際的なスタンダード医療を提供しましょう
国際的に標準的な治療を提供できるようにします。これは、型にはまった医療を重視するため、少々窮屈かもしれません。ただ、正しいフォームを身につければ早い時期からトップレベルの医療が提供できるようになります。日々の診療で疑問や課題を持つことができるように、こちらからEBMを提供します。空気を吸い込むようにエビデンスを吸収できることを目指しています。
アウトプットを習慣にしよう
せっかく最新のエビデンスを吸収しても、あっという間に忘れてしまいます。それを避けるために、インプットした情報をできるだけ早くアウトプットするという習慣を身につけていきましょう。若手ドクター、同僚、スタッフ、患者さんに対して、早く何度もアウトプットすることで知識が定着します。学会・研修会はカンファレンスでの報告会がセットになっています。そうすると、「ここを伝えなくては」という姿勢を持って、学会に参加できるようになります。
臨床研究に取り組む姿勢
日々の診療から絶えず解決されていない課題を見いだし、それについて自ら検討するというリサーチマインドを持つ姿勢を大切にします。自分より若手の医師に「研究をしたいのですが」と相談を持ちかけられたときに、自分の経験を元にした説得力のあるアドバイスができるようになりましょう。
研修内容 | アレルギー疾患外来・病棟業務 |
---|---|
応募資格 |
小児科専門医(取得予定もOKです)または小児科診療経験者 一般病院・クリニックでの一般小児科外来診療経験が半年以上あることが望ましい。 |
研修期間 | 2~3年(1年ごとの更新) |
開始時期 |
2025年度の募集は締め切りました。 (次は2027年4月以降を予定しています。興味がある方は早めに一度ご相談ください) |
選考 |
例年前年の5月末に選考を行います。 本人の研修希望内容が当院の研修に合っている方を採用させていただきます。書類選考のみ試験はありません。 |
募集人員 | 1名 |
勤務概要 |
|
待遇 | 当法人規定による。 ※参考:医師免許取得後6年目 約1,100万円(年間)ここには時間外勤務手当、当直料、賞与(年2回)も含まれます。 |
その他 | 見学は水曜日(または木曜日)に対応しております。その他、ご質問は以下にご連絡ください。 |
問い合わせ | 神奈川県立子ども医療センター アレルギー科 部長 犬尾 E-mail:inuo@mbh.nifty.com Zoomによる面談も随時行っています。 |
FAQ よくある質問
Q.アレルギー診療に対する知識・経験が全くないのですが大丈夫でしょうか?
A.私たちの診療科には小児科後期研修医もローテートしてくるので、それぞれの方にも1からアレルギー診療を指導しています。一緒に学びながらスタートすることができます。大丈夫です。診療所・病院からの紹介患者さんに対応するため、小児科一般診療の流れを理解しておくことが研修を行う上で大切だと考えています。経験よりも意欲を重視しています。採用に際しては、新しい知識を習得する意欲を重視しており、uptodateなどで最新の知識を習得する姿勢を評価しています。
Q.指導に力を入れているところはどんなところですか?
A.特に外来診療教育に力を入れています。最大週6コマのアレルギー専門外来を担当する機会を提供します。初診時だけではなく、継続的に治療している治療内容についてもEBMに従ったものになっているかを、診療内容は絶えずチェックを受けるようになっています。すべての再診受診症例についても、受診前に検討会で評価をしています。初診の患者さんを中心に見るだけではなく、あらゆる経過のアレルギー患者さんに対応できるようになることを目標にしています。外来診療は自己流にタダ数をこなしただけになりがちですが、手間をかけてサポートしています。診療中も自分の評価、治療について、もう一度部長のチェックを受けることで、自分のの知識が整理される経験も多く得ることが出来ます。少人数体制を活かし、きめ細やかな指導を心がけています。
Q.アレルギー以外の病気に対応することはありますか?
A.基本的にはアレルギー科研修中はアレルギー疾患のみに対応していただきます。月に数日当直時に入院患者の対応がありますが、院内に小児科医が4人当直する当直体制なので、協力して対応することになります。さらに、小児病院なので各科が主催する検討会、勉強会が頻繁に開催されているため、様々な病気の診断、治療の最前線の知識を吸収する機会にも恵まれています。2年間の研修期間のうち3ヶ月間は総合診療科勤務として、一般小児科診療に携わる研修期間があります。
Q.どんなアレルギー疾患が多いですか?
A.最近は、食物アレルギーの患者さんの割合が多いです。ただ、我々は専門医として様々なアレルギーに対応できるようになることを目指しており、研修として食物アレルギー以外にも薬物アレルギー、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹・血管性浮腫、気管支喘息にもどんどん対応していただきます。さらに、対応している施設が少ない薬物アレルギーの診断治療にも積極的に取り組んでいます。
Q.カンファレンスはどんな感じですか?
A.抄読会と新患患者・入院患者のプレゼンテーション、学会があれば内容をアウトプットしてもらいます。若手を中心に自分から積極的に参加する形なので、上の先生達だけで議論をしていて、若いスタッフが寝ているというカンファレンスではありません。
Q.応募できるのは小児科医だけですか?
A.小児が対象なので、小児科経験は必要ですが、半年以上の小児科一般外来経験と1年程度の小児科病棟業務経験があれば問題ないと思います。ただ、HCU の当直業務があるため、呼吸器(NIPV、HFNを含む)の導入・管理に対応できる必要があります(研修があります)。
Q.特定の大学の人が多いというのはありますか?
A.ありません。所属スタッフは出身大学も研修病院もバラバラです。大学の医局に所属しているスタッフも所属していないスタッフもいます。スタッフ同士は日々意識することはありません。
Q.当直料はありますか?
A.1回2万円です。当直時に対応した時間は時間外労働として加算されますが、まったく呼ばれない日の方も多いです。当直翌日の平日勤務は12:15までで帰宅となります。
Q.時間外勤務はありますか?
A.臨床業務は時間内に業務が終わるように心がけています。時間外勤務は1ヶ月20時間以内です。外来診療の予習作業に時間がかかりますが、予習なので各自のペースでこなすことが可能です。週末を中心にオンコール担当があります。ただし、自己研鑽の時間はこちらには含まれません。
Q.選考はどのように行われますか?
A.通常は前年度5月末に選考・決定しております。臨時で募集がある際には、その都度募集・選考を行っています。書類選考のみで試験はありません。
Q.宿舎はありますか?
A.ありますが、周辺の賃貸物件の家賃も高くないので、そちらに住んでいる人が多いです。
Q.車通勤は可能ですか?
A.職員用駐車場が確保されています。また、バスの便数も多いので、車通勤のスタッフもバス通勤のスタッフも両方います。
Q.女性医師はいますか?
A.常勤スタッフのうち1名はお子さんが3人いる女性医師です。
Q.子育てと両立できますか?
A.時間外勤務がないように勤務シフトを組んでいます。以前夕方に行われていたカンファレンスも日中に変更しました。子供が突然の発熱などでも対応できるようにサポートしながら仕事をする体制づくりに取り組んでいます。毎日オンコール医師を置いているので、夕方に自分の担当の患者が 入院になったとしても、オンコール医師に引き継いで帰宅することができます。
Q.見学はできますか?
A.見学は随時OKです。水曜日が新患外来・カンファレンスの日になるので、この日に見学すると、研修の雰囲気がより理解できると思います。
Q.個人の机はありますか?
A.専用の机があります。インターネット接続が可能なパソコンを提供しています。多くの論文は無料で閲覧することができますし、必要な論文は科で購入いたします。uptodateにも2020年3月からアクセスできるようになりました。
Q.学会・研究会への出席は可能ですか?
A.アレルギー学会、小児アレルギー学会を始めとして、皮膚免疫アレルギー学会など周辺領域の学会参加も奨励しております。ただ、学んだことのアウトプットを大切にしているので、報告をしていただきます。勉強する意欲のある方を応援します。
Q.年齢制限はありますか?
A.ありません。過去には、病院の部長職にもかかわらず、アレルギー診療を学びたいと当院で研修した方もおられます。何歳からでも、アレルギーを一から勉強することが可能です。医学部再受験のキャリアのある方も大歓迎です。
Q.1週間のスケジュールを教えてください。
午前 | 午後 | |
---|---|---|
月 | 負荷試験 | 外来 |
火 | 外来 | 外来診療検討 |
水 | 外来 | カンファレンス |
木 | 負荷試験 | 外来 |
金 | 負荷試験 | 外来診療検討 |