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各診療部門の紹介

リハビリテーション科

小児がんのリハビリテーション

当センターで小児がん診療が行われているお子様に対して、生活上の機能や生活の質の改善、発達の促しなどを目的として、リハビリテーションを行っています。
こどもは日々の様々な経験を基にして学び、行動し、新しい能力を獲得していきます。身体面、知的面、情緒面や社会性など、様々な側面が相互に関連しながら総合的に発達します。そのような発達・成長期に、小児がん診療中のこどもは、がんそのものや治療の過程で生じる後遺症・副作用、長期入院・特殊な環境など、さまざまな制限の中にいます。リハビリテーションは、身体的、社会的、心理的、発達的に、より良い活動・生活につながることをめざして行っています。
がんのリハビリテーションは、様々な病状や状況、またどのような時期でも受けることができます。

予防的なリハビリテーション

がんの診断後早期に開始して、機能低下の予防を目指します。

回復的・維持的なリハビリテーション

治療開始後の筋力・体力の低下、種々の機能の障害や能力の低下等に対して、最大限の機能回復や維持、改善を図ります。

緩和的なリハビリテーション

積極的な治療が困難となった場合等、お子様やご家族のご希望・要望を尊重しながら、身体的、精神的、社会的によりよい生活が送れるように支援します。

リハビリテーションは、治療を担当する医師や看護師、そしてリハビリテーションに従事するリハビリテーション医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが連携して行っています。

リハビリテーションのご希望がある場合には、治療を担当する医師に、ご相談ください。

リハビリテーション科スタッフ リハビリテーション科イメージ1

小児がんの理学療法(PT)

PT:Physical Therapy 小児がんの病状や治療により、心身の機能や発達・活動に影響を及ぼすことがあります。また身体活動が少なくなり、体力が低下してしまいます。理学療法では、運動面を中心に知的面、情緒面や社会性などの側面も考えながら、一人ひとりの発達段階にあわせて関わっていきます。また、病態と治療経過に伴うリスク管理に十分配慮して、こども達に必要な運動経験や身体活動を行っています。

身体の機能や体力の低下の予防と維持・回復を援助します

理学療法では、お子様の心身の機能(関節の動く範囲、筋力、柔軟性、バランス、持久力、基本動作、日常生活活動など)を評価し、運動や活動を通して、身体の機能の低下の予防や維持・回復の援助をします。

発達を援助します

理学療法では、お子様の運動発達を評価し、全体的な身体運動や環境調整を通して、一人ひとりに合わせて発達を援助します。

活動・参加を支援します

理学療法では機能の回復の支援とともに、経過や状態に合わせて、必要に応じて、補装具や杖、車いすなどの調整を行い、日常生活を円滑に送れるように支援します。

理学療法は日常生活の基盤となる身体機能を支えます

  • 身体の機能として、関節の動く範囲、筋力、持久力、柔軟性、バランスなどとともに、摂食嚥下(哺乳・食事)、呼吸、姿勢調整など日常生活を送る上での身体機能の基盤を支援します。
  • 乳児期・幼児期:
    (例)全体的身体運動、座位、立位、歩行といった粗大運動の練習など
  • 学童期・思春期:
    (例)筋力トレーニング、ストレッチ、有酸素運動(散歩、ボール、 エルゴメーターなど)など
  • 症状緩和:
    (例)リラクゼーション、マッサージ、姿勢の調整、呼吸法など

小児がんの作業療法(OT)

OT:Occupational Therapy 小児がんやその治療により、心身の機能や発達に影響を及ぼすことがあります。また、厳しい治療や慣れない入院生活により、こどもは不安やストレスを抱えています。

心身の機能維持・回復を援助します

作業療法では、お子様の心身の機能(粗大運動、上肢機能、認知機能、日常生活動作など)を評価し、遊びや活動を通して、お子様の心身の機能を維持・向上できるように援助します。

発達を援助します

作業療法では、お子様の発達状況を評価し、お子様の発達に必要な遊びや活動を、病状に応じて実施し、発達を援助します。

情緒の安定を援助します

作業療法では、お子様の心身機能や発達状況を評価し、楽しい遊び、喜びや達成感が得られる活動を、病状を考慮しながら実施し、ストレスを発散させ、情緒の安定を援助します。そして、治療に前向きになる気持ちを支えます。

作業療法は、遊びや活動を治療手段に用います

  • こどもは、遊びや活動を通して成長・発達し作業療法では、お子様の状態を評価し、最も必要と考えられる遊びや活動を選択し、治療として実施します。
  • 乳児期・幼児期:
    (例)おもちゃを使った遊び、手遊び、くすぐり遊び、工作
  • 学齢期・思春期:
    (例)製作活動、ゲーム、パソコン、日常生活動作、学業(書字など)
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小児がんの言語聴覚療法(ST)

ST:Speech and Language Therapy
聴こえの問題や脳腫瘍などのお子様のことばの問題への支援を、入院中から退院後を通して行います。

聴こえの問題(難聴)への支援

聴力検査を行い、必要に応じて耳鼻科医と連携し、補聴器装用指導を行います。

ことばの問題(失語症、無言症、構音障害など)への支援

話す、聴く、読む、書くことの評価や発音の評価を行い、指導を行います。

療育・教育機関との連携

退院後も必要に応じて地域の療育センター、幼稚園、保育園、学校と連携し、お子様にとって良い環境づくりを支援します。

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