こどもの薬は大人に比べて使用量は少なく、体重や年齢等で大きく量が異なります。薬剤科では、小児がんのこども達が安心して安全に治療を継続して受けられるように、お薬をとおして支援を行っています。
○小児がん治療の一つである化学療法では、決められた投与スケジュール(レジメン)に従って抗がん薬が投与されます。抗がん薬が安全かつ適正に投与されるよう、薬物療法の内容を治療プロトコール(治療計画書)と照合し、医師、薬剤師、看護師によるレジメン鑑査(投与スケジュールの確認等)を行った後、静脈内注射、骨髄内注射等全ての抗がん薬を、薬剤師が無菌的に混合調製しています。
また、内服薬はそのままの剤型では飲めないことも多く、錠剤やカプセル剤を粉砕して粉薬にして提供したり、簡易懸濁(かんいけんだく)法(水と薬を混ぜ合わせる方法)を覚えていただけるように、病棟スタッフやご家族のサポートをしています。
○小児がん化学療法の多くは、いくつかの抗がん薬を組み合わせて治療が行われます。がん化学療法が安全かつ適正に行われるように、がん化学療法のプロトコール審査・管理などを行う多職種から構成される化学療法検討会議の一員として、薬剤師も重要な役割を担っています。
○抗がん薬を使用する多くのこどもたちが副作用を経験します。治療に対する不安を少しでも軽減できるように多職種と連携を取りながら、こどもたちやそのご家族への服薬指導を通じてQOLの向上に貢献できるように努力をしています。
○ICT(感染対策チーム)、NST小児がん栄養プロジェクトチーム、PCT(緩和ケアサポートチーム)などチーム医療の一員としても、薬物療法の支援に取り組んでいます。