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各種小児がんの当院の方針・成績

脳腫瘍

治療の流れと概要

当院で1年間に新規診断する脳腫瘍のこどもたちは、約10-20名程度です。まず、当院での脳腫瘍の患者さんの退院までを、時間経過に沿ってご説明します。

脳腫瘍が疑われたら

当院では、脳神経外科と、血液再生医療科が協力して、小児脳腫瘍治療に取り組んでいます。他院から脳腫瘍が疑われ紹介になった患者さんは、外来を経由して安定している場合には一般病棟で、集中治療を要する場合にはHCU,ICUなどへ搬送されます。そこから採血や画像検査(MRI,CTなど)が行われ、採血検査、処置などを行い、手術の日程を計画します。

脳腫瘍の診断まで

一部の画像診断により治療方針を決定する腫瘍を除いて、脳腫瘍の治療では、最初に生検や全摘出などの脳神経外科的手術による組織診断を確定診断とします。腫瘍の病理学的診断(腫瘍の顕微鏡的診断)が判明した数日以降の時点で、病理科医、放射線科医と腫瘍カンファレンス(Tumor Board)を開催し、今後の化学療法、放射線療法、手術療法についての方針を決定します。

脳腫瘍と診断したら

診断後の治療は、状態が安定したところで乳幼児、学童の病棟に移動して行います。化学療法、放射線療法を行う場合、腫瘍を縮小させた後には再度の手術が必要な場合もあります。腫瘍の種類や発症年齢により治療の内容は異なりますが、治療の長さは、約半年~1年程度を必要とします。
入院中には、早期に理学療法、作業療法を開始し、場合によっては言語療法を行うことで腫瘍の圧排や手術の影響のあった部位に対して早期からの機能の回復に努めています。また、副作用により食事が食べられなくなった場合には栄養サポートチームに、また口内炎や痛みが出現した場合には緩和ケアサポートチームの協力を得て治療にあたります。

日常生活のこと

また、保育士とのイベントや、夏祭りの開催、ボランティアの人たちとのふれあいなどが病棟内のプレイルームや外来待合などで計画されており、入院中のこどもたちが治療だけで退屈しないように配慮されています。教育面では、南養護学校が当院には併設されており、治療だけでなく、多方面からの支援体制が組まれています。

治療後の経過観察は

点滴による化学療法終了後、寛解を維持しているかどうか、定期的に画像評価をするために外来に通います。こどもたちの一部には、ホルモンの問題などが合併することがあります。それらについては小児内分泌科医と共に経過を見ていきます。また、治療をしたのち、化学療法や放射線の影響が出現しないかなど長期的な晩期合併症についても外来経過観察をしていきます。

小児脳腫瘍の特徴

はじめに

小児の悪性腫瘍のうち脳腫瘍は、白血病の次に多くみられます。小児の脳腫瘍には星細胞腫や髄芽腫、胚腫を含めた胚細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫、上衣腫などの多くの種類があります。手術のみで治るものから、放射線、化学療法が必要なものまで様々です。治療方法が成人の場合とは異なりますので、小児の脳腫瘍治療に詳しい病院で治療を受けることをお勧めします。

症状

水頭症:脳脊髄液の通過障害により頭蓋内圧が高くなって頭痛や吐きけ、ぼやっとする、視力が悪くなるなどの症状が出現することを指します。乳幼児期の初期までは,頭囲の拡大により代償され、症状がわかりにくいことがあります。
局所症状:脳腫瘍の部位により出現する症状は様々です。例えば,小脳に腫瘍ができると,ふらつきが出現し姿勢を保つことが出来なかったり、脳幹部に生じた場合には,顔の半分の動きが悪くなったり、ご飯を食べるときにむせることなどがあります。また大脳が障害されると,手足の麻痺が出現し、会話をすることが難しい場合もあります。また、てんかん(痙攣)発作で発症する場合もあります。
内分泌症状:水を飲むことが増え、尿量が増える尿崩症や、高度の痩せ・低血圧・低血糖からなる間脳症候群、小さい子供に生理が始まったり陰毛が生えたりする思春期早発症、原因不明の食欲の低下,身長の伸びが遅い下垂体性小人症なども脳腫瘍によるホルモン異常によることがあります。

検査

画像検査:ほとんどの場合、脳腫瘍は造影MRIが必須です。MRIにより周囲の正常組織や血管との位置関係などを把握します。一方、CTは骨や石灰化の評価に優れています。当院では、こどもたちへの恐怖を最小限にするために、CTやMRIの模型であらかじめ説明をし、時には睡眠導入剤を使用して画像を撮影しています。
血液検査:胚細胞腫瘍ではAFPやHCG-βなどの腫瘍マーカーの上昇がみられる場合があり、診断に有用です。
腰椎穿刺:背中に針を刺し脳脊髄液を採取して悪性細胞の有無の検査を必要とすることがあります。

治療

下記手術、放射線療法、化学療法を総合して行います。大切なことは、脳腫瘍は外科手術が一番の治療であり、放射線療法や化学療法は治療のうちの一端を担っているにすぎないということです。

手術 脳神経外科の先生担当

放射線療法

脳腫瘍は、種類によっては放射線感受性が良いものがあります。腫瘍のもともとあった場所(腫瘍床)や、すべての脳、脊髄などに放射線治療を必要とする場合があります。放射線療法は治療の途中や最後に行います。放射線照射を行う事に慣れるために、模型や下見などを行って不安を取り除くように当院では努めています。乳幼児にとっては放射線照射による正常脳への影響を懸念し、当科ではできる限り放射線照射を遅らせる試みを行っています。しかし、腫瘍の大きさや経過によってはその限りではありません。

化学療法

化学療法は抗腫瘍薬、抗がん剤とも呼ばれ、いくつかの薬剤を組み合わせて行います。行った後には、定期的に画像評価を行います。化学療法による副作用で口内炎や吐き気、倦怠感などが生じることがありますが、一時的です。当院では、入院中の治療後に状態が安定しているときには外泊を挟んで入院を繰り返しこどもたちの気分転換をはかります。その後の画像検査でその後評価をし、治療の反応性を見ることを数回繰り返します。
また、病期や年齢によっては大量化学療法を必要とする場合もあります。一方、一部の脳腫瘍患者では、院内にベッドや椅子を備えた外来化学療法室を準備しており、外来へ移行する場合もあります。

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