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各種小児がんの当院の方針・成績

骨軟部腫瘍

骨軟部腫瘍とは

肝臓や腎臓といった臓器ではなく、骨や筋肉などから発生する腫瘍を骨軟部腫瘍といいます。横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、その他の軟部腫瘍が含まれます。(比較的数の多い横紋筋肉腫につては別のページで説明します。)もともと少ない小児がんの中でも特に発生頻度が低く、小児がん全体の数%(国内で年間60~80人程度の発生)であり、「希少がん種」とされます。診断や治療には専門知識と経験・設備が求められるため、小児がん拠点病院である当センターには年間3~6人の新規患者さんが集まってきます。

診断と治療

診断には、放射線診断科による画像診断(レントゲン、CT、MRI、核医学検査、超音波検査)、病理診断科による病理組織診断が行われます。また一部の疾患では融合遺伝子検索などを含めた遺伝子解析が診断の一助となっています。当院で行えないPET-CTなどの検査については近隣の施設で行います。これら検査の結果を症例検討会(tumor board)に持ち寄り、各専門診療科や診断科により治療方針の検討がなされます。

治療には化学療法、外科療法(手術)、放射線治療を組み合わせた集学的治療が求められます。希少疾患であることから確立された治療法がない場合も多く、どの時期にどの治療法を組み合わせて行うのか、これまでの各専門科の治療経験や最新の知見をもとに決めていきます。治療の実施にあたってはそれぞれの連携が非常に大切です。

1.化学療法

いわゆる抗癌剤の治療のことで血液・再生医療科が担当します。疾患や程度に応じて適切な化学療法を選択し組み合わせて使用していきます。また、場合によっては無菌病棟で造血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行う場合もあります。最近は分子標的薬と呼ばれる薬も使われ始めました。

2.外科療法

手術で病変を取り除く治療です。発生部位に応じて外科、整形外科、泌尿器科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、形成外科などが担当します。特殊な部位以外の腫瘍は当センターで手術を行うことが可能です。

3.放射線治療

病変に放射線を照射し腫瘍細胞を死滅させる治療です。放射線治療科が担当します。当センターではX線、電子線による放射線治療を行っています。また当センターで行うことが難しい治療法でも、その患者さんには適切と考えられる治療法がある場合は他医療機関と連携し診療を行っていきます。例えば、放射線治療で陽子線治療の適応と判断される場合には筑波大学病院や静岡県立がんセンターなど小児の陽子線治療で実績のある施設に紹介しています。

それぞれの疾患についての解説

1.骨肉腫

多くは骨から発生し、骨を形作る悪性腫瘍です。小児期から成人期の小児の四肢の骨(大腿骨や脛骨、上腕骨など)に多く発生します。原発性悪性骨腫瘍の中では一番頻度が高いとされます。成人も含めると年間200~300人程度の発生頻度と推定されています。
当院では複数の化学療法薬による術前化学療法後に腫瘍摘出を行い、摘出した病変に薬剤がどれくらい効果があったかを確認し、それ合わせて術後の化学療法を選択することで、5年生存率は約80%に達しています。再発例、転移例などの治療成績はまだ不良ですが、多発する肺転移病変なども積極的に切除を行うことで治療成績を高めています。

2.ユーイング肉腫ファミリー腫瘍

小児期から成人期にかけて骨に発生する腫瘍では骨肉腫に次いで多い疾患です。以前は古典的ユーイング肉腫、抹消性原始神経外胚葉性腫瘍細胞(peripheral primitive neuroectodermal tumor : PNET)、胸壁アスキン腫瘍と呼ばれていた疾患群で、近年共通する遺伝子変異が原因であることが判明したためユーイング肉腫ファミリー腫瘍と呼ばれるようになりました。骨にできることが多いのですが、まれに筋肉などの軟部組織に骨外性として発生する場合があります。
治療には術前術後の化学療法、手術療法、放射線治療をすべて組み合わせた集学的治療が求められ、70%近くの方が長期生存できるようになってきました。しかし、比較的少数ではありますが転移を来している場合は予後不良であり、最新の治験をもとにした治療が試みられています。

3.横紋筋肉腫以外の軟部腫瘍

その他とされるさらに希少ながん種が含まれます。線維肉腫、滑膜肉腫、悪性末梢神経鞘腫、悪性ラブドイド腫瘍、繊維形成性小円形細胞腫瘍など、当センターでは1970年の開院以来30名以上の患者さんの治療を行ってきました。それぞれ非常に希少な疾患のため治療法が確立されていないものが多く、最新の知見も併せて、それぞれの疾患・程度に合わせて最適と思われる集学的治療を行っていきます。

それぞれの疾患にもよりますが、長期にわたる入院治療が必要となる場合もあり、治療の効果を最大とする中で、生活の質をなるべく落とさない治療を目指して、入院環境の整備などを行っています。また、治療の進歩により長期生存者が増えてきた一方、集学的治療に伴う様々な晩期合併症が見られることが多くなり、治療を乗り越えた後も長期に経過観察を行っていっています。

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