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線維形成性小円形細胞腫瘍(desmoplastic small round cell tumor DSRCT)などのように、腹腔内全体に播種が広がる腫瘍があります。希少で進行が早く、予後が不良の疾患などがあります。治療には、集学的治療である手術、化学療法、放射線治療を行いますが、近年では、新たな試みとして温熱化学療法が行われます。

温熱化学療法について

温熱化学療法イメージ 当センターで我々が行っている実験的な治療法の一つです。
この方法は特に腹腔内や胸腔内へ播種(種をまかれたように小さな腫瘍がばらまかれたような広がり方をした状態)を来した時、手術だけでは小さな腫瘍が取りつくせない場合や十分な放射線治療が入れられないと判断される場合に試みています。
きわめて小さな腫瘍まで外科的にできる限り取り尽くした後、化学療法剤を40〜41℃に温めながら腹腔内/胸腔内に流し込み、ポンプでぐるぐると循環させる方法です。(灌流法といいます。)

播種性腫瘍に対する温熱療法は特に成人領域で以前から行われてきたもので、珍しいものではありません。しかし、加温した化学療法剤を腹腔内に灌流するする方法は近年行われるようになったものであり、まだ試行錯誤の段階です。MDアンダーソンがんセンターという米国の有名ながん治療施設が発表した方法で、繊維形成性小円形細胞腫瘍(desmoplastic small round cell tumor : DSCRT)という腹膜から発生して腹腔内全体に播種状に広がる悪性腫瘍に対してこの治療法がとられました。この腫瘍は発見時には既に巨大化していることが多く、ほとんどの場合外科的な完全切除は不可能な状態で見つかります。化学療法も一定の効果は示しますが、通常の使い方では腫瘍の根絶は難しく、従来の治療成績は3年生存率1 0〜30%と惨憺たるものでした。2010年、MDアンダーソンがんセンターのHayes-Jordanらは、DSRCT 8例に対してこの温熱化学療法を含むを治療を行って、3年生存率71%(非施行群26%)と良い成績を得たと論文報告しました。

当センターもこの報告を参考に、2011年からDSRCTに対して温熱化学療法を開始しました。国内で小児に対して行う温熱化学療法としては当センターが初の試みでした。現在までにDSCRT3例、転移して胸膜播種を来した骨肉腫1例に対し、腹腔内温熱化学療法、胸腔内温熱化学療法、局所温熱化学療法と疾患と手法を拡大しながら6回の温熱化学療法を行ってきました。まだ判定途中ではありますが、腫瘍を押さえ込むことが出来た症例もあり、温熱化学療法の効果に期待できるものでありました。また、合併症として、腹腔内に温熱化学療法を行った場合に腎臓の機能の悪化を起こすことがありましたが、全体的には安全に施行できる方法であることも確認できました。
これまで歯が立たなかった難治の悪性固形腫瘍に対する有力な武器一つになるのではないかと期待してる治療法です。

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